悪夢ちゃん

a0091515_2304457.jpg田中慎弥 『切れた鎖』  (新潮文庫)

内田百閒『冥途』『件』のような懐かしい恐怖。根源的な人間の有り様が強烈に性的な幻影を顕現ざせる。抽象的な普遍的な、僕の過去にも現れたであろう風景と匂いと風の感触。降り続く雨はつげ義春のようでもあり。
「あいつらはとにかく偽物なんだ。犬の癖に人間ぶる。朝鮮人の癖に日本人みたいな顔をする。亭主を偽人間に取られて平気?」
映画では長廻しが好きだが、小説においても長いセンテンスに惹かれる。『蛹』では1頁半に渡って描写された。
明日電車に乗ったら「真っ赤な皮膚の猿と灰色の毛の生えた狸」が座っているだろう。

by costellotone | 2012-12-04 23:13 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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