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頭の中だけにいるもの

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頭の中だけにいるもの_a0091515_17405372.jpg北杜夫 『幽霊』 (新潮文庫)

小学生の頃、絵描きの親戚の伯父さんの家に行くのが好きだった。
そのアトリエには油絵がたくさん架かっていて床にも何枚も立てかけられていた。
カンバスやパレットに固まった油絵具や何本もの筆。シンナーの匂い。ピアノの陰の暗闇。
無造作に置かれたクラシックのLPレコードや画集。
これが大人の世界なんだなあと思った。
そこで聴いたブラームスやバッハ。
額の中の外国の港町。裸婦。
幽霊はここにいる。

by costellotone | 2013-03-18 17:48 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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