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青来有一 『爆心』 (文春文庫) 数年前に読んだ芥川賞受賞作『聖水』が抜群だったので読もうとは思いつつ今日まで来てしまった。 やはり巧いとしか言えない。それも他に類を見ない巧さだ。 「原爆」と「宗教」と「性」を直結させて題材にしているが「生きると言うこと」の考察に尽きる。 モノや昆虫や生殖の儚さを眩く幻想的に描いて追及して行く過程で垣間見える「美しさ」がこの短編集の醍醐味だ。 中で一番好きなのは海が押し寄せてくる「貝」。寡作な作家だけに大切な本になっている。 ー青々とした大きなウマオイが爆心地の空から降ってきて私の傷ついた足を這い尻の方へにじり寄ってくるのです。やがてウマオイは「まだ、生きておるかね?」と笑いながら濡れた尻尾をわたしのおなかに挿しいれてきて、濃い草の匂いがする精を、白い無数のガラス片のようにきらきらと放つのでした。ー
by costellotone
| 2013-03-22 11:04
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