「おじさま、お早うございます。」

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a0091515_7344858.jpg東雅夫編 『日本幻想文学大全 幻視の系譜』  (ちくま文庫)

21篇が収録されているが初めて読んだ室生犀星『蜜のあわれ』と吉村昭『少女架刑』が秀逸。
前者は金魚を擬人化した話だが、その若い女性と性的関係を持つような描写が艶めかしい。と言っても相手は金魚である。その股の間を開いて見るのだが金魚と言えども恥ずかしがる。男の昔の死んでしまった女の亡霊も出現して妙な関係が進んで行く。
後者は、死んでしまった若い女が死後医科大学に売られて死体を解剖されて行くのを主観で描いている。医者や大学生たちが胸部や生殖器を切り取って行く様が克明に書かれ、最後は焼かれて骨の世界に置かれる。そこで聴こえる音の描写がいい。
泉鏡花と夢野久作はさすが。一気にその世界に引き込まれる。

by costellotone | 2014-04-03 07:46 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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