わが荒野

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a0091515_14461692.jpg高橋和巳 『悲の器』 (河出文庫)

僕が遭遇した学生運動の終焉期に読まれていた文学の中で大江、埴谷、吉本などを押さえて人気があったのはこの人だろうが、その悲壮的なイメージから避けて来た。以前読んだ『邪宗門』は思想的なものよりも小説的な面白さを感じ取ったから読めたのだと思う。
で本作を読んでみたのだが、予想を越えて面白く思えた。のは法学者の日常で考えている描写、またその理論の根源に対する考え方の描写が興味深かったから。
加えて女性蔑視と言うよりも女性の性そのものへの嫌悪の描写。やり玉に挙げられるのはこれでは致し方ないと思わせるほど。
しかし20代でよくこんな50代の法学博士の頭の中を描けたのか。それも性欲の。

by costellotone | 2014-08-24 14:58 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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