レコード棚から-25

Led Zeppelin - Presence (1976)

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 僕が中学時代に洋楽を聴くようになった頃(1966年前後)には「ロック」と言う概念が未だなく、プレスリーやチャック・ベリーなどのいわゆる「ロックンロール」しかなかった。高校に入る頃にクリームやジミヘン、ヴァニラ・ファッジが登場し「ニュー・ロック」、「アート・ロック」と言うレコード会社のネーミングにより「ロック」と言う分野が確立されて行った。そしてレッド・ツェッペリンやジェフ・ベックにより「ハード・ロック」と言う新しい言葉が登場した。
 サイモンとガーファンクル、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ、シカゴ、サンタナなど何故かCBSソニーのレコードばかり聴いていた僕も、友達から様々なレコードを借りて聴くようになった。(当時はレコードを貸し借りするのが友情の証みたいな雰囲気があった。)その中で出会ったのがZEPだった。
 初めて買ったZEPのレコードはシングル盤の「移民の歌」で、これは『Ⅲ』に収録されているのだが、確かシングルはモノラル録音だった気がする。2枚目に買ったのが、逆行するが、『Ⅱ』に収録されていた「胸いっぱいの愛を」だった。どちらもヘッドフォンでボリュームを上げて毎日のように聴いていた。けれども小遣いが足りないせいもあってか、LPを買わなかったのは、多分他に興味が移ってしまったからだろう。何せこの当時は聴きたい音楽が山のように、海のようにあったのだから。ZEPの他のハード・ロック、ディープ・パープルとかAC/DC、TOTOなどは全く聴かなかった。
 しばらく経って働くようになってから出会ったZEPのレコードがこの『プレゼンツ』だった。
 とにかく「アキレス最後の戦い」に驚愕した。尋常ではなかった。ROCKと言う音の塊だった。爆走する超重戦車か、銀河系を行く空飛ぶ空母か、深海か地底を疾走する鋼鉄の巨大なドリルのように感じた。ジョン・ボーナムのドラムが地獄の鬼のよう。彼こそが「アキレス」かと思う程に全てをなぎ倒して、ガンガンに叩きのめして突進して来る。「モビー・ディック」と言う曲が以前あったが、まさに死を前にのたり狂う巨鯨。ベースのジョン・ポール・ジョーンズが手綱を引くのだが、先行するボンゾのヘビィなスピードに引っ張られ、その微妙な手加減がファンキーなグルーブ感を作り出している。その上にジミー・ペイジのブルージーかつ黒魔術的なギターが唸りつつ、重い剃刀のように(まるで巨大な肉の塊を刻むように)リズムを刻む。この3者がハード・ロックの聖域を築き、ヴォーカルのロバート・プラントが城壁に陰影を彫刻する。
 ラストの「一人でお茶を」も大好きだった。
 この嵐のような、落雷のようなアルバムの後、ZEPもいろいろな不幸に見舞われ解散に向って行くことになる。このアルバムがZEPの最高傑作だと言う人もいるが、もしかしたらロック史上の最高傑作であるかも知れない。少なくとも僕にとってはそうだ。それ程の力が未だに宿っている。
 ジャケット・デザインはピンク・フロイド、ピーター・ガブリエル、松任谷由実のアルバムをやっているヒプノシス。金属製(?)の像は何でしょうね。
 ビークルの日高のTV番組『WORLD RIDE』にグレイプバインの田中がゲストで来た時に、日高が「ツェッペリンの偶数のアルバムが好きな人は性格が暗い。」と言っていた。この『プレゼンツ』は7枚目。
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P.S.  先日の「世界フィギアスケート」のエキシビションでカナダのペアが「胸いっぱいの愛を」で滑っていたので驚いた。誰が歌っているのか解らなかったが。
by costellotone | 2007-03-27 14:14 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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