父親に関する3冊

a0091515_12565386.jpg小林恭二 『父』 (新潮文庫)

『ゼウスガーデン衰亡史』、『瓶の中の旅愁』など卓越した虚構を組み立て「本当のこと」に迫る作家、小林恭二が自分の父親をターゲットにした小説。
結局人間は、父親に限らず、独り、頑固に生きて、勝手に死ぬものだ、と言うことが解る。
読了後、妙に清々しい気分に浸れるのは何故だろうか。小林恭二の技か、はたまたこの父親の技か。
僕は咳止めシロップは要らないと決心する。

a0091515_12572416.jpg西木正明 『夢幻の山旅』 (中公文庫)

山岳、自然関係の絵描きであり、詩人であり、それ以上に「自由人」であった辻まことの生涯を描いた新田次郎賞受賞作。
父親はダダイスト辻潤、母親は後年アナーキスト大杉栄の許へ走って「関東大震災」の時に殺された女性解放運動家の伊藤野枝。
母が去った後の生活能力のない父との放浪生活が、父も去った後までも重い翳を落とす。呪縛を逃れるために人知れぬ山の奥深く彷徨ったのか。母と大杉との娘である魔子との関係は復讐なのか。

a0091515_12574281.jpgボブ・グリーン 『ボブ・グリーンの父親日記』 (中央公論社)

アメリカの街角のコラムニスト、ボブ・グリーンの娘アマンダが生まれた時の育児(?)日記。
子供が生まれた時にこの本を読んだのだが、それなりに感動するし、参考になる箇所は多々あるのだが、、作品としては平凡に思えたのは、実際の体験の方が100倍も面白かったから。それよりも万国の父親は馬鹿だと言うことが非常に納得させられる。
日本人は赤ちゃんと添い寝するが、アメリカでは生まれてすぐに別の部屋のベッドに寝かす。このことが個人主義の差になって行くのかな。このことがベッドの下のお化けを生むのかな。

by costellotone | 2007-03-29 13:35 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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