2009年 03月 03日 ( 1 )

切なくよみがえるデジャブュの香り

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a0091515_9164863.jpg鈴木清順監督 『ピストル・オペラ』 2001 松竹
江角マキコ 山口小夜子 韓英恵 平幹二朗 樹木希林 永瀬正敏 沢田研二


1972年は池袋文芸座オールナイトで鈴木清順特集を毎週欠かさず観ていた。『くたばれ愚連隊』あたりから『野獣の青春』ぐらいまではおもしろかったが「清順美学」とみなが称したスタイルが出現すると俄然興味を失った。ただ単に演出が美術や撮影、編集などの技術に寄りかかっているだけではないかと思った。この美学が出て来ると流れが止まってしまうのだ。固まったイメージを並べているだけで動いて行かない。流れて行かない。新しいイメージを生むことをしない。映画的快楽がない。だいたい人間がいなくなってしまった。
妙な言い方だが、『ツィゴイネルワイゼン』も『陽炎座』も凄いだけじゃん、って思っちゃう。
主演女優は顔つきやセリフ廻しの割りに芝居と身体の切れが悪い。周りの役者もみな空回りの芝居。これだったら『殺しの烙印』でやめときゃよかったのに。

P.S. 池袋駅地下にあった「スナック・ランド」は今はなくなってしまったらしい。当時アンパンと牛乳で映画館のハシゴをしていた貧乏映画青年たちはここによくお世話になったものだ。あと「三越」裏にあった格安大衆食堂。確かカレー・ライスが30円だった。
P.S. 井筒和幸監督が賞を取った時か何かの祝賀会がその「三越」であって清順監督もいらっしゃっていた。黒いマントを翻して夜の雑踏に消えていったのを見て、映画よりも本人の方がかっこいいじゃんと思ったのを憶えている。
by costellotone | 2009-03-03 09:29 | 映画 | Trackback | Comments(0)