カテゴリ:読書( 245 )

Galvanize

045
a0091515_4583484.jpgシュペルヴィエル 『ひとさらい』 (光文社古典新訳文庫)

「恵文社」で目にして買ってしまった。
澁澤龍彦がかつて訳したものの新訳版だがピンと来ない。
訳のせいではなく若い頃に読んだら何か感じたかも知れないが今は何もない。

by costellotone | 2014-06-07 05:04 | 読書 | Trackback | Comments(0)

突然記念日

044
a0091515_22522124.jpgいとうせいこう 『鼻に挟み撃ち 他三編』 (集英社)

芥川賞候補になった『鼻に挟み撃ち』がやはり一番おもしろかった。
何処に向かっているのか全く解らないのがスリリングでいいのだがゴトーメイセイもゴーリキーも読んだことがないのだからおもしろいと言っていいのかどうか。
最後の「フラッシュ」は表題作に比べれば解りやすいがやはりその分物足りない、企まれた偶然の快感の不快感はそのうち消えてしまうか。

by costellotone | 2014-05-31 23:00 | 読書 | Trackback | Comments(0)

梔子姫

043
a0091515_719145.jpg久世光彦 『一九三四年冬―乱歩』 (新潮文庫)

久し振りに小説を堪能した感じ。江戸川乱歩の架空の遺作を題材にしたメタ小説。
中国で海鼠みたいな軟体動物のような性玩具として仕込まれた少女。「クチナシヒメ」の名の通り声を奪われたのだが下の唇が喋り出す。と言う映画には出来ないような奇怪な物語を江戸川乱歩が生の最後に書き始める。
物語よりも印象に残ったのは「読み残した本を悔やんで死ぬのも残念だが、死んでしまったら、これから先書かれる傑作が読めないというのがもっと口惜しい。百年生きて、百年読み暮らしたいと思う。」

by costellotone | 2014-05-26 07:29 | 読書 | Trackback | Comments(0)

叙情の再現

042
a0091515_8463446.jpg平田オリザ 『東京ノート』 (ハヤカワ演劇文庫)

先日VHSで観た芝居の台本だが、これまでにも何度か戯曲は読んだことはあるがこんなに読みにくいものは初めて。
2か所で同時に会話がなされるために台本も2段組になっている。会話や動きの間の指定が重要なために台本に記号が書かれている。(解説で述べられているようにまるで室内楽の楽譜のようだ) 「現代口語体」のために「えぇ」「まあ」「はぁ」「うん」などが全て書かれている。
これはやはり戯曲を読んでいるだけでは面白さが解らない芝居だ。空間で日常的に動き日常的に喋ることの中から世界が浮かび上がって来る仕組み。

by costellotone | 2014-05-25 08:57 | 読書 | Trackback | Comments(0)

成りたい自分

041
a0091515_22573132.jpg青木将幸 『リラックスと集中を一瞬でつくる アイスブレイク ベスト50』 (ほんの森出版)

大学で「教育力向上プロジェクト」に参加しているのでやたらとアイスブレイクをやらされているのだが改めて読んでみた。
『月刊学校教育相談』に連載されていた「アイスブレイク100連発! 」の書籍化。
中にはちょっと頭を傾げるものもあるがやってみたいものもあるのも確か。
初めはまゆつば物と思えたり恥ずかしかったりもするのだが会話、コミュニケーション、議論が活発になるし、発言し辛い人も言えるようになるのが一番の効果だ。無理にでも発言させる状況を作ってしまうのだが本人がそれによって楽になればいいと思う。

by costellotone | 2014-05-14 23:07 | 読書 | Trackback | Comments(0)

聖家族

040
a0091515_22452195.jpg小山田浩子 『穴』 (新潮社)

最近は芥川賞作品と言っても手に取ることはなくなったが、妙に今期の卒制作品などと関係するかもと思ってしまい読んでみた。
雑な文体が不穏な空気を纏う。途中何を描いているのか不明になる現象が起き、それがよけいにざらついた気持ちにさせる。
表題作よりも連作短編の『いたちなく』と『ゆきの宿』の方が気持ち悪くてぞくぞくする。
3篇ともまとめようとしない終わり方もいい。

by costellotone | 2014-05-13 22:54 | 読書 | Trackback | Comments(0)

二十億光年の孤独に僕は思わずくしゃみをした

039
a0091515_21585674.jpg平田オリザ 『幕が上がる』 (講談社)

ジャケットを見てラノベかと思ったらその通りだった。
異なるジャンルの人が手を出すと映画でも小説でも的外れになる場合がほとんどだ。
その道に長けていても勘違いが起こるしキモを掴めないのは何故だろう。
言いたいこと、書きたいことは解るのだが小説として成立していない。

by costellotone | 2014-05-11 22:04 | 読書 | Trackback | Comments(0)

先に行ってるから

038
a0091515_8473471.jpg恩田陸 『図書室の海』  (新潮文庫)

初めて読む著者の短編集だったがやはり食い足りない感が残る。
全て元ネタがある短編だが、日常生活の描写の中に殺人ミステリーを持って来た『茶色の小瓶』と『国境の南』がよかったかな。

by costellotone | 2014-05-11 08:55 | 読書 | Trackback | Comments(0)

commit-ment

037
a0091515_4205422.jpg小川洋子 河合隼雄 『生きるとは、自分の物語をつくること』  (新潮文庫)

これも「学習学」の流れで読んだ。(手に取るのを躊躇うような題名だ)
以前にも河合隼雄と誰かが対談した本を読んだことがあるが、このひとは苦手だ。どうもスポンジのように相手の言葉を受け入れて行くようで気色が悪い。それがこのひとの仕事だから仕方がないのか知れないが。
教師とはピッチャーではなくキャッチャー。究極的には、自分では何もしないで見ているだけで「偶然」が重なって「うまいこといく」ようにしよう。

by costellotone | 2014-05-02 04:32 | 読書 | Trackback | Comments(0)

演じるサル

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a0091515_1439121.jpg平田オリザ 『わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か』  (講談社現代新書)

去年から文学以外のこの手の本を読むようになったのは、大学で映画学科での授業やゼミ以外に「ファシリテーション」「コーチング」などの研修に参加しているからだが、それよりも直接学生と話していること、いっしょに考えること、遊ぶことが好きだから。
先日観たドキュメンタリー『演劇』には演劇や映画についてよりもこのことについてのヒントがあったのでこの本を読んでみたのだが、映画と演劇の違いがかなりあって、その発見が先ずおもしろかった。大体演劇をやっている人と言う場合はほとんど役者を指すのだが、映画をやっている人と言う場合は監督などスタッフを指す場合が多いのには理由がある。
それはともかく本書はコミュニケーションの面白さを示している。胡散臭いと思うのは本来嘘を共有するものだから。本当の目的はそこにはないから。相手の話の内容よりも、何故今相手がその話をするのか、したいのか、しなければならないのかを考えなければならない。これがコンテクストを理解すると言うことなのだろう。
「わかりあえないこと」を前提に、わかりあえる部分を探っていく営み。多様性こそが力となって継続可能な社会を作る。
あと、大学で鈴木卓爾監督と俳優コースの授業をもっているのだが、そこでやらせてみたいことがたくさんあったのも収穫だ。

by costellotone | 2014-05-01 14:57 | 読書 | Trackback | Comments(0)