056
小津安二郎監督 『秋刀魚の味』 1962 松竹 笠智衆 岩下志麻 中村伸郎 東野英治郎 岡田茉莉子 加東大介 杉村春子 20年ぶりぐらいで観たのだがやはり凄い映画だ。こんなにも練り込まれたセリフのやり取りやカット割りには驚くばかりでホンを作ると言うことの醍醐味を感じる。 ほんの少しあおったローアングルの切り返しに美学と言うよりも人間の矮小さ、滑稽さと共に人生の尊厳を表している。「魚偏に豊か」の料亭、支那ソバ屋の椅子で肩を落とす「瓢箪」と娘の杉村春子、岸田今日子のバーで「本日天気晴朗なれども浪高し」と海軍式敬礼をする加東大介、小気味よい岡田茉莉子のセリフ。娘が嫁いだ後の家の空間。ひとつひとつのセリフや仕草、挿入される情景カットに登場人物の性格や環境、個人史を凝縮させているからこそ描くことの出来るひとの寂しさ。加えてあまりに日本的な日常の中から卑猥なほどに性的な空気を醸し出すのもこの監督の表現だ。 小津の他の作品も観直してみたくなってしまったがどうしようかな。
by costellotone
| 2010-07-01 15:04
| 映画
|
Trackback
|
Comments(0)
|
フォロー中のブログ
リンク
最新のコメント
タグ
映画
So What ?
音楽
読書
Graffiti
パン
Today's Disc
料理
graffiti
今日の料理
学校
いきもの
パソコン
植物
編集
TV
京都
サッカー
あひるの学校
写真
ラジオ
正しく生きる
散策
memory
カミハテ
ビデオ
東京
弥勒
レコード棚から
演劇
Web Design
美術
堰組
Chagall
震災
FCP
film
蒲郡
もうひとつの生きるあかし
Mac
上原ひろみ
鈴木翁二
Now Playing
ニール・ヤング
コラージュ
絵画
映画演技Ⅳ
大学
rap
彌勒
Hasselblad
落語
ジョギング渡り鳥
赤い玉、
北白川派
二人ノ世界
Design
授業
検索
以前の記事
|
ファン申請 |
||