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Please Brother Take A Chance

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Please Brother Take A Chance_a0091515_9321097.jpgケネス・ローチ監督 『ケス』 1969 英
デヴィッド・ブラッドレイ リン・ペリー コリン・ウェランド フレディ・フレッチャー


映画から逸れるが、中学の頃ベトナム戦争や朝鮮戦争の報道で「撃っても撃っても共産軍の兵士は湧き出て来る」と言う様な記述があって麻薬で恐怖を取り除かれ銃弾の雨あられの中でも突っ込んで来るとまことしやかに言われていた。戦争自体よりもそのことの方に恐怖を覚えた。虫けらのように死んで行くのは米兵やベトナム政府軍、韓国軍の兵士も同じだがそのひとりひとりに周りの誰も知らない楽しくて悲しくてみじめで悔しくて恥ずかしかった多感な少年時代があるのだ、と思った時に僕の「反戦」と言う意識が初めて現れた。
解散してしまったOasisの「The Masterplan」のPVはやり場のない気持ちのメンバーたちが工場の煙漂うどんよりとしたマンチェスターの街をとぼとぼと歩くアニメだったがノエル・ギャラガーの愛する映画がこの『ケス』
ちょっとだけいいことがあると必ずもっと大きな悪いことが起こると少年時代は思っていたことも思い出した。そしてすぐに忘れてしまうことも。
少年が新聞集配所まで走るクレジット・タイトル・バック、マンU気取りの教師のサッカーの授業、校長室での体罰、シャワー、鷹の訓練について教壇で話す少年、いなくなった鷹を探し回る場面などなど印象に残るシーンばかりだ。
何よりも演じた少年の表情に尽きる。

by costellotone | 2010-07-16 09:41 | 映画 | Trackback | Comments(0)
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