人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ナニヲヌカスカコノチョンガーキムチ

227
ナニヲヌカスカコノチョンガーキムチ_a0091515_8314961.jpg大島渚監督 『絞死刑』 1968 ATG
尹隆道 渡辺文雄 佐藤慶 石堂淑朗 戸浦六宏 足立正生 松田政男 小山明子


挑戦的な監督と言えば日本では大島渚が筆頭だろうか。特にこの時期の実験性前衛性は独立プロの監督たちの中でも抜きん出ていた。
中半、死刑囚=在日朝鮮人Rが所長や牧師たちと刑務所から外へ出る瞬間には戦慄した。いとも簡単に外へ出る。これこそが映画だ。映画にしか出来ない超現実的な描写だ。
その後から続く教育部長のコミカルな芝居に引っ張られて屋上の移動から女子高生を絞殺し再び刑務所へ戻る流れの中で想像と現実の境目を曖昧にし在日朝鮮人のアイデンティティーが亡霊の如く立ち現れ日本帝国主義と日本人を告発する、それを密室的かつ群像劇的な空間で描いて行く演出も鮮やかだ。
もっとこのような現実世界を突破して行く映画を観たい。(と思って大学で何がしかを教えることにした訳なのだが)

by costellotone | 2011-08-05 08:34 | 映画 | Trackback | Comments(0)
<< 今日の料理 白身魚のトマト椀 今日の料理 賀茂なすの田楽 >>