加賀乙彦 『永遠の都』 (新潮文庫 全7巻)
三田にある外科病院と、娘夫婦たちが住む西大久保を中心に、 戦前から戦後への波乱の時期を越えて行く家族たちを描く大作。 東京と言う場所だけではなく、昭和と言う時代を読み取ることが出来る。 あまりに面白くて、勢い余って続けて北 杜夫『楡家の人びと』(新潮文庫) を読んでしまったため、ごちゃごちゃになってしまった。 開高健 『ずばり東京』 (文春文庫) 開高が小説に行き詰った折りに武田泰淳に勧められて書き始めたルポ。 オリンピック前後の上昇志向の東京の片隅へ浸透して行く。 深夜タクシー、屋台のおでん屋、古本屋、下水、病院、スリ、葬儀屋、うたごえ喫茶へ。 開高ノンフィクションの出発点で、後にベトナム戦争、釣り、旅、と世界へ広がって行く。 種村季弘・編 『東京百話』 (ちくま文庫 全3巻) 東京の空間(生活、風習)、場所、人間について書かれたあまたの小説、随筆を 独文学者種村さんが編集したアンソロジー。絶版だったが今年復刊された。 とりあえずこれを読んでおけば「東京」が解る。と言っても昭和の、と言う括りが付くのだが。 平成の東京のアンソロジーは一体誰が編者になるのか。 この項あまりに多くてやめとけばよかった。昭和初期まででも、荷風、乱歩、谷崎、寺田、百閒、トホホです。 興味のある方は 「極私的東京本集成」と言うサイトがあります。
by costellotone
| 2006-11-30 22:03
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